ノーコードサロン ClaudeCode入門講座 / 27
SECTION 27

27|レビューAIを作る:基準を満たすまで繰り返す「検証ループ」

AIにレビューさせるとき、1回チェックして終わりにすると品質が安定しません。ここでは、レビューの基準を先に決め、その基準(たとえば90点以上)を満たすまでAIに自動で直し続けさせ、満たしたときだけ人に確認を求める「検証ループ」の作り方を説明します。第16章(マルチエージェント)・第26章(ハーネス)の実践編です。

27-1 「1回レビューして終わり」の問題

AIに「レビューして」と一度だけ頼むと、次のような問題が起きがちです。

  • 基準が曖昧なため、レビューの観点が毎回ぶれる。
  • 「だいたい良さそう」で通ってしまい、8割の完成度で止まる。
  • 指摘は出るが、直したあとに本当に直ったかを再確認しない

結果として、人間が毎回すべての下書きを細かく見直すことになり、レビューの手間が減りません。ここを仕組みで解決するのが検証ループです。

27-2 検証ループの考え方

検証ループは、次の流れを基準を満たすまで繰り返す仕組みです。

  1. 基準を数値化する合格ラインを決める(例:100点満点で90点以上)。
  2. 採点させる成果物を基準に照らして採点し、減点した理由(問題点)を挙げさせる。
  3. 直させる挙がった問題点を修正させる。
  4. 再採点するもう一度同じ基準で採点する。
  5. 合格したら人へ合格ラインを超えたら、点数と残課題を添えて人に確認を求める。未達なら2〜4を繰り返す。
ねらいは、あなたの役割を「すべての下書きを見直す」から「すでに基準を超えたものだけを最終確認する」へ変えることです。人が見る前に、AIが自分で一定水準まで引き上げます。

27-3 レビュー基準(ルーブリック)の作り方

ループの質は「基準の具体性」で決まります。AIが自分で判定できるよう、客観的でチェック可能な項目に分解します。Webページのレビューなら、たとえば次のような項目です。

  • スマホ・PCで表示崩れがない(レスポンシブ)
  • 見出しタグ(h1〜)の構造が適切(SEO・アクセシビリティ)
  • リンク切れ・画像切れがない
  • 表示速度が極端に遅くない
  • ブランドルール(design.md)に沿っている

各項目に配点を振る(合計100点)か、すべて満たせば合格のチェックリスト形式にします。曖昧な観点(「なんとなく良い」)は避け、判定できる形にするのがポイントです。

27-4 ClaudeCodeで検証ループを回す

基準と合格ラインを、プロンプトか CLAUDE.md に書いておきます。次はプロンプトの例です。

プロンプト例
作成したindex.htmlを、以下の基準で100点満点で採点してください。
基準(各20点):
- レスポンシブ崩れなし
- 見出しタグ構造が適切
- リンク切れ・画像切れなし
- 表示速度が妥当(重い画像・不要なスクリプトなし)
- design.mdのカラー/フォントに準拠

手順:
1. 採点し、減点した項目とその理由を挙げる
2. 90点未満なら問題点を修正して、もう一度採点する
3. 90点以上になったら、最終スコアと残っている課題だけを報告する
(最大5回まで繰り返し、超えたら現状を報告する)

採点を毎回出力させると、点数が上がっていく過程が見えて、どこで詰まっているか分かります。同じ基準を繰り返し使うなら、CLAUDE.md に「納品前チェック基準」として書いておくと、毎回貼らずに済みます。

27-5 「作る人」と「レビューする人」を分ける

同じ会話でそのまま採点させると、自分の成果物に甘くなりがちです。第16章のサブエージェントや、別の会話(/clear 後)を「レビュー担当」にして、作る側と評価する側を分けると、より厳しくチェックできます。

  • メインの会話:成果物を作る。
  • レビュー担当(サブエージェント/別会話):基準に照らして採点し、問題点だけ返す。
  • メイン:返ってきた問題点を直して、再度レビューに出す。

この分業自体が、第26章で触れた「ハーネス(作業の仕組み)」の一例です。

27-6 使いどころと注意点

無限ループとコストに注意。「合格するまで」と指示すると延々と回り続けることがあります。繰り返し回数の上限(例:最大5回)を必ず決めてください。
  • 点数はあくまでAIの自己採点で、絶対的な正しさではありません。最終確認は人が行う前提です。
  • 基準が主観的だと採点もぶれます。判定できる客観的な項目にします。
  • LP・マニュアル・コンポーネントなど、毎回同じ観点でチェックする定型的な成果物と相性が良い方法です。